中学受験

中学受験をするなら結局共学が良いの?男子校や女子校が良いの?

中学受験男子校共学

お子さんが受験する私立の中学校を決める時、多くの親御さんが一度は悩んでしまうかもしれない事が、「結局は子供のためには共学が良いの?それとも、伝統のある男子校や女子校の方がが良いの?」という事です。

もちろん、どちらにも一長一短はあるでしょう。

これはもう議論しても結論が出るものではありませんし、例えば同じ男子校のA校とB校があったとしてもその2つは全く異なる校風の学校になるわけですし、地域によっても年代によっても特徴は変わってきます。

それにお子さんの性格との相性などもありますから、一概にどちらが良いと言えるものでもないでしょう。

ただ私は、世間でよく面白がって言われるような「女子校育ちは性格が悪くなる」「男子校は女性の感情に疎くなる」などの一般論だけを鵜呑みにしてしまって、「男子校はこういうもの」「共学はこういうもの」という結論を安易に下してしまうのは勿体ないと思うのです。

肝心なのは“その学校が一体どういう学校なのか?”を知るという事です。そしてその学校に、お子さんが入りたいと望むのかどうかという事でしょう。

中学校入学前の志望校選びの段階でできる事と言えば、実際に気になっている中学校の校風をよく知る事くらいです。

進学塾のベテラン先生に聞けばその地域の中高一貫校に関しての情報は豊富に持っている事が多いでしょうし、それ以外にも体育祭文化祭に実際に自分達で足を運んでみる事が重要でしょう。そうする事で子供たちは自分が中学校に入学した後のイメージが鮮明に描けるのです。

あとは入学後の教育環境や卒業生の社会での活躍ぶり、大学合格実績、親御さんやお子さんの意見(これが一番大切!)を総合的に加味し、家族全員でよく話し合った上で志望校を決定する他ありません。

男子校だから、共学だから、という点はあまり重きを置いて考えなくて良いでしょう。

男子校と共学校の両方に合格した私の中学受験

きっと男子校には男子校の良さというものがあるのでしょうし、共学には共学の良さがあるのです。

私は共学にしか通った経験がないので、男子校の事、女子校の事は分かりません。

ですが、私の早稲田大学時代、男子校に6年間通ったという友人に話を聞いても「やっぱり男子校は男子校で面白そうだな!」という印象も受けたものですし、共学では絶対に経験できない男ばかりの熱い青春を送れるという側面もあるでしょう。

私は智辯学園和歌山中学・高等学校という“共学”の私立の中高一貫校に6年間通いましたが、実は中学受験の段階では“男子校”である大阪星光学院にも合格していました。

どちらの学校も自宅から電車で1時間~1時間半くらいの距離にありました。

ですから、私自身もどちらの中学校を選ぼうかと両親と一緒になって物凄く悩んだ事をいまだに覚えています。

両親は、「お前の好きな方に行けば良いよ」と言ってくれました。

参考になればという事で両親は両校の大学進学データを私に教えてくれたものです。

私が中学受験をしていた当時の話で言えば、智辯学園和歌山中学校よりも大阪星光学院の方が偏差値は上でしたし、東大合格者数も大阪星光学院の方が多かったのを覚えています。

しかし、その頃は智辯学園和歌山高校も毎年毎年東大の合格者数を右肩上がりで伸ばしてきていて、「勢いのある学校だな」という印象がありました。ただ、大阪星光学院も毎年多くの東大や京大の合格者を輩出している点は変わりありませんでした。

結局私は、大学進学実績からでは両者を比較して結論を出す事ができませんでした・・・

中学受験の前に「大阪星光学院が第一志望校だ」と決定していたのですが、いざ両方の中学校に受かってみると、意外とこれが迷うものなんですね。

では最終的に私がどうやって進学する中学校を選んだのかと言うと、校舎の立地や校風、通学路などが決め手になりました。

田舎か都会か?自分に合っているか合っていないか?好きか嫌いか?

「共学」か「男子校」かという以外にも、両校にはもう1つ大きく異なる点がありました。

それは、大阪星光学院の立地が大阪府の中心部(難波駅の近く)に位置しているのに対し、智辯学園和歌山中学校は和歌山県のド田舎(黒江という誰も知らない駅)に立地しています。

大阪府の端っこに住んでいた私の自宅から両校への通学時間にさほど差はないのですが、通学路には大きな差があったのです。

どちらも電車の乗り換えはあったのですが、智辯和歌山中学校に行くには田舎の景色を電車の窓からのんびりと眺めながら通えたのですが、大阪星光学院に通うにはどんどん都会になる外の景色を気ながら、実際に通学時に乗り換える駅ではいかにも「ザ・都会」といった感じの駅で乗り降りしないといけませんでした。

海あり山ありの自然たっぷりの田舎で育った小学校6年生の自分にとっては、毎朝都会の雑踏に紛れざるを得ない駅での乗り換えが結構な高いハードルに感じられました。

その点、智辯和歌山中学校がある黒江という場所は、自分が生まれ育った場所以上に何もない田舎でしたので、それがなんだか自分には合っていると思える安心要素になっていました。

決め手になった、野球部の例年の甲子園出場という魅力

田舎に立地しているという点で、私の心は共学の智辯和歌山中学校に傾き始めていたのですが、もう1つ、私の智辯和歌山中学校入学に向けて後押ししてくれた大きな要素がありました。

それは、智辯和歌山高校野球部の存在です。

小学生だった当時の私はまだ高校野球には詳しくなかったのですが、父から智辯和歌山高校の野球部はとてつもなく強いという事を教えて貰いました。

智辯和歌山高校の野球部は全国屈指の強豪校で、事実、智辯和歌山高校を率いる高嶋仁監督は2016年の現段階では堂々の甲子園勝利数歴代1位を誇っています。

そして智辯和歌山高校の名物の1つなのですが、和歌山県大会の予選の初戦の段階から甲子園の決勝まで、中学校と高校の全生徒がスタンドに全校応援に駆け付け、「C」の人文字を作るのです。野球好きにとってみれば甲子園で母校の応援ができるわけですから、それが実に楽しいわけです。

私が在籍していた6年間でも、中学校3年生の時に夏の甲子園で全国優勝をしていますし、準優勝も2回あります。春夏を合わせて、甲子園に応援に行かなかった年はありまでんした。それくらい野球部は強かったのです。

母校の夏の甲子園での全国優勝の瞬間に甲子園のアルプススタンドで立ち会えるという体験は、日本全国の高校の中でも毎年たった1校だけしか味わえない物なわけですから、これは大変貴重な経験ができたと今にして思えます。

相手の最後のバッターをアウトに打ち取った瞬間、全ての空間がスローモーションに見えて、その直後に大歓声に包まれて全身にざーっと鳥肌が立った感覚を今でも忘れる事はありません。

そんな野球部を率いる有名人の高嶋仁監督に、体育の授業を教えて貰えるというのも智辯和歌山中学校のメリットの1つでした。

このようにして、私の心は智辯和歌山中学校に傾き、当初第一志望だった大阪星光学院ではなく、第二志望だった智辯和歌山中学校に進学する事になったのです。

スポーツが大好きだった私にとって、勉強1本の学校よりも、こうした勉強以外の楽しみがある学校生活を送りたいという思いが、心の奥底にはあったんだと思います。

「男子校」「共学」という要素だけを進学先の判断基準にしてはいけない!

私の事例はお伝えした通りですが、「男子校」「女子校」「共学」だからという理由で進学する学校を選ぶべきではないと私は思います。

それよりも、取り巻く環境を含めて、そこが一体どういう学校なのか、6年間でどういう体験を得られるのか、そこでお子さんは後悔する事なく学生生活をエンジョイできるのか、これを真剣に考える事に尽きると思います。

逆に言えば、お子さんが進学したい中学校を選んだ際に、親御さんの方から「男子校だから」「女子校だから」「共学だから」という理由でNGを出さない方が良いでしょう。

だったら、中学受験をする前から志望校の選択肢から外してあげないとお子さんが可哀想ですね。

せっかく遊ぶことを我慢して必死に勉強して、例えば仮に最難関の灘中学に受かっても、開成中学に受かっても、そこが男子校という点で入学できないという事になるのであれば、最初からお子さんが目指すべき志望校に男子校を入れてはいけないという事なのです。

普通に考えればごく当たり前の事なのですが、中学受験の世界では難関校のネームバリューだけに囚われて、深く考えもしないで「とりあえずその学校を目指して勉強をする」という家庭が実に多いのです。

何が志望校選択の基準になるのか、それを中学受験対策に本格的に取り組む前段階から、家族全員でしっかりと話し合っておく事が肝心です。

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中学受験指導部
中学受験を目指す全ての家庭に春が来る事を祈ってます! 志望校の合格を勝ち取った後は、中学受験のその先に待っている楽しい人生を楽しみましょうね!