中学受験

武蔵中学校は本当に御三家から成り下がったのか?詳細に検証!

御三家武蔵中学

中学受験をしようと思った時に何度も耳にする事になるのが「御三家」という言葉で、いわずもがな、都内の開成中学麻布中学武蔵中学の男子校3校を指しています。

世間の常識でいう御三家とは異なり、このように中学受験業界での御三家は首都圏の中学受験業界における人気、偏差値ともにトップクラスの上記3校を指す意味で使われています。

余談にはなりますが、この御三家という呼び方、随分昔からそう呼ばれるようにはなっていたのですが、中学受験をしていた20年ほど前の当時の私や、大学になってからもその呼び方を知りませんでした・・・

なぜなら、私が目指していたのは関西の難関私立中高一貫校でしたから、関東の中学校に関しては開成くらいしか名前を聞いた事がなかったからなのです。

実際に近畿圏ではそこまで一般的な名称ではありません。

ですが、東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏で中学受験に挑戦する人の中では、恐らく“御三家”の存在を知らない人はいないでしょうし、関西では灘中学がトップに君臨するのと同じく、関東では開成中学、麻布中学、武蔵中学の3校が人気・実力ともに兼ね備えた最難関校という位置づけになっているのです。

武蔵中学が御三家から脱落したという噂を検証!

しかし、そんな天下の御三家にも栄枯盛衰はあるようです。

男子御三家の中の1校、武蔵中学の大学合格実績が近年では芳しくないために、「もはや武蔵中学は御三家とは呼べないのではないか?」「武蔵中学よりも駒場東邦の方が御三家に相応しいのでは?」等の議論が教育熱心な保護者達の間で盛り上がっているようです。

それならば、実際に数値で詳細に検証をしてみようという事で、中学受験に関わる者の1人として私も気になったので、実際に統計データをエクセルでいじくって調べてみる事にしました。

2016年度の男子御三家各校の東大合格者数は?

中学受験業界における偏差値で御三家がどうのこうのと議論する事に意味はありません。

これは、四谷大塚や日能研が模試や受験結果を元に、独自に作っているだけですからね。

天下の御三家を正しく判断をするためには、もっと大元のデータを取りにいかないといけません。

という事なので、やはりなんと言っても大学合格の実績、とりわけ日本最難関である東京大学のリアルな合格実績を1つの検証材料とする事は、御三家の判断基準に相応しいでしょう。

これは絶対的な要素という訳ではなく、あくまでも「最高峰の大学にどれくらいの合格実績を出しているのか?」という判断材料の1つという事です。誰もこれには異論はないはずです。

では、ランキングを登場させましょう!

※スマホだと表示が崩れて見ずらくなりますので、正確にご覧になりたい場合はPCからご覧頂く事をオススメします。

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では、最新の2016年度の武蔵中学からの(中高一貫なのでそのまま高校に入って大学受験という意味です)東京大学合格者数は何名かというと、なんと全国ランキングで見るとまさかの23位の28名です・・・

トップ10にも入っていません。

では、男子校御三家の残る2校はどうでしょう?

開成は2016年度東大合格者数全国1位の170名、麻布も全国3位の93名で、まさしく「御三家」と呼ぶに相応しい素晴らしい数字ですが、2016年度の東大合格者数だけを見る限りでは、武蔵中学の25名は御三家と呼ばれる上では余りにも寂しい数字ですね。

では、2015年度、2014年度の武蔵からの東大合格者数は?

ただ、2016年だけがたまたま武蔵中学卒業生の大学合格実績が良くなかったという事も考えられますから、念のため昨年、一昨年の数字を見てみましょう。

統計データによりますと、2015年度の武蔵中学の東大合格者数は27名、2014年度は22名です。

うーん、やはり御三家と呼ばれるには物足りない数字で、往年の武蔵中学からの東大合格者数と比較すると、確かに勢いがなくなって合格者数が少なくなっている感は否めません。

ちなみに開成中学は2015年度に185名、2014年度に158名、麻布中学は2015年度は88名、2014年度は82名もの圧倒的な東大合格者を安定的に輩出していますね。

「御三家」という呼び名はあくまでも“首都圏”での私立中学校(男子)の事を指していますから、関西圏にある天下の灘中学などを含めないのは大前提です。

しかし東京都だけで比較してみても、筑波大学附属駒場中学校(東京)、東京学芸大付(東京)、桜蔭(東京)、駒場東邦(東京)、日比谷(東京)、豊島岡女子学園(東京)、早稲田(東京)などの学校の方がここ3年では武蔵よりも多くの東大合格者を排出しているという有り様です。

卒業生数の違いを考慮して東大合格率で検証

ただし、この時点で武蔵中学がダメになったという烙印を押すのは余りにも早計です。

注意しなければいけないのは、開成や麻布の毎年の卒業生数と比較して、武蔵中学の卒業生数が半数以下だという事です。

武蔵中学と言えば少人数授業が伝統でもありますから、単純に数の勝負だけで開成や麻布に東大合格者数で挑もうと思ったら、もはや勝ち目がないという事なのです。

そこで、「合格者数」ではなく「合格率」で東大合格者数を比較してみる事にします。今度はこちらのランキングの数字をご覧下さい。

2016年度の合格率の列に注目して下さい。

※スマホだと表示が崩れて見ずらくなりますので、正確にご覧になりたい場合はPCからご覧頂く事をオススメします。
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東大合格者数(浪人含む)を卒業生数で割り、卒業生に占める東大への合格率を弾きだしているのですが、2016年度の武蔵中学は東大合格率において全国15位の15%という数字です。

それと比較して開成中学は全国3位の43%、麻布中学は全国6位の31%です。うーん、、、武蔵は合格率でもやはり他の2校とはかなり開きが出てしまっていますね・・・

合格率で見ても武蔵中学はさらに筑駒、桜蔭、駒場東邦、東京学芸大付、日比谷にも抜かれてしまっていて、東京都内だけでも3位にランクインするどころか、10位にランクインできるかどうかも少し危うくなっているという状況です。

それにしても・・・

毎年全国1位の筑波大学附属駒場中学校は3年連続で東大合格率60%以上をキープしていて、2014年度は63%、2015年度は68%、2016年度は62%という数字ですから、仮に現役だけで考えても2人に1人は東大に受かっているという、本当に恐ろしい学校ですね(笑)

武蔵中学の校長先生いわく、京大に合格する生徒は・・・

引用:東洋経済ONLINE:http://toyokeizai.net/articles/-/12927

このような数字がはっきりと出てしまっている以上、確かに武蔵中学の御三家脱落は決定的になりつつあるように思えてきましたが、武蔵中学の校長先生を突撃インタビューをすると、このような事を仰られていたようです。

「うちは自由な校風で大学合格だけが全てではないと思っていますし、それにうちは生徒達に東大受験を強制する事はせず、京大なども受験しています。京大に受かる生徒は東大を受けても合格する学力のある子で・・・」

という事だそうです。

天下の御三家の武蔵中学の校長先生がこんな事を言ってしまったらダメでしょう!!!!と私は思いました。

なぜなら、自由な校風なのはどこの学校もそうですし、少なくとも建学の精神を持ち合わせた私立の学校は「うちはよそとは違う」とみんな同じ事を言っているんですから(笑)

自由な校風なのは素敵な事ですが、その上で大学合格実績はしっかり出して欲しいところですのでそれは言い訳にはなりませんし、京大の受験者数の話まで持ちだしてしまってはアウトでしょう。

そんな事を言ったら、西の横綱「灘中学」も京大合格者数をドーンと東大合格者数に加えてしまいますし、麻布中学だって開成中学だってそうですよ?

ちなみに2016年度の京大合格者数は灘中学が45名、麻布中学が12名、開成中学が11名なのに対して、武蔵中学が10名です・・・

もちろん卒業生数が少ない武蔵中学は合格者数で他校と比較する事にはあまり意味がないのかもしれませんが、この麻布と開成の京大合格者数の結果は、どうか武蔵中学の校長先生には内緒でお願いします(笑)

東大+京大+医学部の合格率で比較すると御三家はどうなる?

東大だけではなく、京大も加えようじゃないかという校長先生の意見が出てきました。

という事なので、全国に散らばる各校の平等性を保つために、最終的にこのような数字で御三家を比較する事にします。

確かに東大合格者数だけで考えれば、どう考えても首都圏の学校の方が受験者数が多くて有利ですからね。

ここでは、東大合格者数京大合格者数国公立医学部合格者数、この3つの数字を足したものを卒業生数で割り、各校の合格率順に高校を並べました。

武蔵中学の校長先生が仰る通りで、やはりこの3つに合格する生徒は実力が均衡しているのは確かですからね。

ではその結果はどうなったのかと言いますと・・・下記の全国上位30校のランキングをご覧下さい。

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※灘高校の数字が100%を超えているのは、この統計数値が浪人生も含んでいるからです。

結果、開成中学が全国6位に、麻布中学が13位に、武蔵中学が28位にランクインしました。

こうしてみると、国公立医学部への合格者を多数輩出している首都圏以外の東大寺学園、ラ・サール、甲陽学院等の私立中高一貫校の高実績には目がいきますが、御三家に関して言えば、武蔵中学も4人に1人は東大か京大か国公立医学に合格者を出している素晴らしい学校だという事が分かりますね。

しかし、東京都内だけで見てみると筑波大付駒場(東京)、開成(東京)、麻布(東京)、桜蔭(東京)、駒場東邦(東京)、東京学芸大付(東京)の6校に次ぐ7校目にランクインしているわけですから、男子校御三家の1角はやはり筑駒や駒場東邦に譲らないといけないのではないか?という意見も、あながち見当はずれではないという事が実証されました。

結論

武蔵中学は、確かに東京都内の男子私立中高一貫校の中では素晴らしい実績を出している進学校です。

それは、今回の記事でもしっかり証明できたと思いますし、4人に1人が日本最難関の大学に合格しているわけですから、それは誰もが認めるところでしょう。

しかし、“御三家”として考えた時に、その実績は平凡に見えても仕方ないでしょう。都内の女子校や共学校、全国の他の難関私立中高一貫校も含めると、やはり武蔵の実績がかすんで見えてしまう事はもう否めませんし、かつての勢いはもはや失せてしまっています。

首都圏の中学受験性が憧れる「御三家」たるや、開成中学や麻布中学のようにもっと堂々とじた大学合格実績を出し続けて欲しいものですし、御三家失格なんて言われないようにこれからの武蔵中学の盛り返しに大いに期待しようと思います。

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中学受験を目指す全ての家庭に春が来る事を祈ってます! 志望校の合格を勝ち取った後は、中学受験のその先に待っている楽しい人生を楽しみましょうね!