ご自身が公立の中学校に通った高校受験組で、志望する大学に希望通り進学できたお父さんやお母さんにとっては、「なぜわざわざ中学受験なんてするのか?」と疑問に思う方もいるでしょう。
中学受験のメリットはこちらの記事に書いてあるので参考にして貰いたいのですが、要するに中学校生活の3年間だけを見ているのか、それとも中学・高校の6年間(あるいはその先の大学までを含めた10年間)を見据えているかの違いです。
子供の将来をしっかりと見据えた時には、やはり中高一貫校に通った方が効率的な教育を受けられるわけです。
そのような事実を知った時、例えばお兄ちゃんは特に何も考えないまま公立中学校に通って高校受験をしたものの、しっかりと子供の教育の事を考えるようになった後、弟や妹は中学受験にチャレンジさせるという家庭も稀に存在します。
そのような時にやってしまいがちなのが、高校受験で発表されている偏差値ランキングから、中学受験の各校の難易度を推測してしまうという事です。
しかし中学受験と高校受験は全くの別物ですから、志望校を決定する上では少し注意が必要です。
高校受験での偏差値73は中学受験では偏差値63に相当する?
結論から言うと、高校受験を勝ち抜くよりも中学受験を勝ち抜く方が圧倒的に難しいと言えます。
なぜなら、仮に学力だけで見れば優秀だと言える中学受験組がごぞっと抜けた後に残る、公立中学校に通う子供達の中で勝負が行われるのが高校受験だからです。
経済的にも余裕があって教育費に投資できる教育熱心な家庭、そして純粋に勉強に興味のある子供が集まる傾向から、中学受験の方が高校受験よりも圧倒的に厳しい競争になります。
中学からも入れる中高一貫校にわざわざ高校受験をして高校から入るのだったら、中学受験を頑張って中学1年生から入っておいた方が、カリキュラムを先に進める事ができますから大学入試においては断然有利なわけです。
中学受験組の中高一貫生が5年間で中学・高校の全カリキュラムを終えるのに対して、高校受験組は高校に入ってからその遅れを取り戻す必要があるのです。
だから必然的に高校受験組は高校1年生ではかなり授業の時間割もハードになりますから、その事を知っている親御さんは子供のためを思って中学受験をさせるのです。
また中学受験と高校受験はそもそも別物だと考えた方がよく、同じ学校でも両者の偏差値や難易度は全く異なってきます。
面白い事に世間的な偏差値の表記は実際の難易度の逆で、高校受験での偏差値の方が中学受験の偏差値よりも高く表記されてしまっているのです。
そのために起こる現象として、高い偏差値が出ている高校受験で難関中高一貫校に編入してくる生徒は優秀だと思われがちですが、実はそんな事はなく、むしろレベルの高い中学受験を勝ち抜いてきた子供の方が優秀な生徒は多いのです。
例えば私の通っていた私立智辯和歌山中学・高等学校の偏差値を見ても、中学受験での偏差値は63なのに対して、高校受験では73とかなり高く記載されたりしています。
しかし中学受験組と高校受験組で比較した時にどちらが優秀かと言うと、やはり中学から入学して6年間しっかりと教育を受けた生徒の方が大学入試で成功している割合が圧倒的に高いのです。
その点だけで比較するのは少し偏った見方になるのは承知の上で紹介すると、東大・京大・国立医学部に合格している大学進学実績で見ても、例年中学受験組の生徒の割合の方が断然多いのです。
このような事例は何も私の母校だけではなく、全国の多くの私立中高一貫校で見られる事例でしょう。
ですから、高校受験のみしか経験した事がない家庭のお父さん・お母さんは、子供が中学受験にチャレンジする時には、ちゃんと「中学受験での偏差値ランキング」を見るように注意して下さい。
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