小学校6年生の夏休みは小学生で迎える最後の夏休みですし、いよいよ中学受験本番を迎える夏でもありますね。
「夏休みは受験の天王山」
「夏休みを制するものが受験を制する」
なんてよく言われるものですから、進学塾の夏期講習には行かないといけないのか、何か新しい事に取り組まないといけないのか等、中学受験生を抱えるご家庭では何かと夏休みはそわそわしがちなのではないでしょうか?
ここでは中学受験を志す小学校6年生の夏休みの過ごし方、必要な心構えなどを、私の経験を含めて紹介しようと思います。
進学塾利用組は夏期講習の受講が大前提
サピックス、日能研、早稲田アカデミー、四谷大塚、栄光ゼミナールなど、各種大手塾では夏休みは夏期講習を別途開校し、夏休み中の生徒達をビシバシ鍛えにかかります。
この時期はどこの進学塾も通常授業が夏期講習に切り替わりますから、塾を利用している子供は必然的にその塾の夏期講習を受講する事になりますね。
いずれにせよ、夏休みは塾中心の生活になる事に変わりはありません。
それに加え、進学塾側の裏事情としては夏休みは生徒のかき入れ時ですから、塾生以外の一般生も外部から積極的に受け入れて、売上アップをはかります。
普段塾を利用せず、家庭学習や家庭教師の利用だけで中学受験にチャレンジするご家庭では、夏期講習だけは塾を利用するという方も多いのではないでしょうか?
私も中学受験時代は塾を利用していなかったのですが、夏期講習と冬期講習だけは受講した口です。
ですので、参考までに首都圏における大手進学塾の2016年度の夏期講習費用(一般受講)を掲載してきます。
算数・国語・理科・社会の4科目で受講した場合です。
ご覧頂ければ分かる通り、夏期講習の授業料はだいたいどこも20万円弱ほどだという事ですね。
塾側としては、生徒5人も集めればそれだけで売上100万円アップが見込めますから、おいしいビジネスだとは確かに思います(笑)
自宅学習、家庭教師利用組も塾の夏期講習は受講すべき?
過去の私のように、普段は塾を利用していないにも関わらず、夏休みや冬休みだけは塾を利用するケースはよくありますが、このような話を聞くと、塾を利用していない家庭は「え?じゃあうちも夏期講習だけは受講しないとダメかしら…?」と不安になるものです。
ですが、その心配は不要です。
もちろんお金に余裕があれば夏期講習を受講するのも良いでしょうし、普段と違った先生、違った環境、違った教え方を体験できるわけですから、子供にとってプラスの刺激が多い事は間違いありません。
しかしその反面、慣れない環境に戸惑いを感じる子供もいるでしょうし、既に出来上がっている塾生の子供達の輪の中に、一般生として混じる事をストレスに感じる子供もいるのではないでしょうか?
そう考えると、勉強以外に気にしなければならない事が増えてしまうので、かえって勉強に集中できないというデメリットも無いとは言えないのです。
ですから約40日ある夏休みの間、ちゃんとした勉強計画が立てられ、その計画に沿ってしっかりと通常通り自宅学習ができるのであれば、あえて夏期講習を受講する必要はないでしょう 。
よその家庭がサピックスや早稲田アカデミーの夏期講習に参加していると聞くと、何かと不安な気持ちになる事もあるかもしれませんが、よそはよそ、うちはうち、なのです。
夏休みは親子ともども何かと焦ってしまう時期なのですが、それは周りのライバル達も同じだと言えます。
だからこそ逆に、どーんと腰を据えて、いつも以上に基礎力強化と弱点克服に取り組みましょう。
小学校6年生の夏休みは何か特別な事をするべきなの?
小学校6年生の夏休みは、物理的には学校もないので、朝から晩まで勉強できるわけです。
十分な時間があるからこそ、ここで一気に学力を上げるために何か特別な事をやらないといけないんじゃないかと考える親御さんは多いのですが、普段と同じ事をやるべきだと思います。
基礎力の強化と、苦手教科の克服、やる事はこれまでと一緒で大丈夫です。
しかし、この2つを今まであまり取り組めてこなかったという場合は、夏休みにこそ頑張って取り組まないといけないでしょう。
また、入試問題で必要とされる学力レベルと、現在の自分がどれくらい離れているのかも、この夏休み期間をつかって客観的に把握しておくべきでしょう。
これは子供だけでやるのは難しいので、親御さんも一緒になって分析します。
これさえしっかりとやっているのでしたら、夏休みは夏らしく、花火をしたり海水浴に行ったり、家族旅行に行ったりしても良いでしょう。まだ入試本番までは日があるわけですから。
なんと言っても小学校6年生は小学校最後の夏休みですからね?
実際に、私は夏休みは毎年3泊4日で家族旅行をしていましたので、この間はほとんど勉強をしていませんでした。
夏休みまでに必ずやっておくべき事
中学受験に臨む小学校6年生の子供にとって、夏休みの活用の仕方次第では、学力的にも精神的にも1回りも2回りも成長できる可能性を秘めています。
だからこそ、小学校6年生の夏休みまでに必ずやっておくべき事があります。
それは、志望校の決定です。
志望校という勉強の明確な目標が定まっていないと、学習意欲がいまいちわかないという事態を招きかねませんし、やはり志望校が明確になっている子供は勉強への熱の入れようが全く変わってきますからね。
秋以降は過去問や過去の模擬試験を利用しての志望校対策や、本番での得点力アップ、社会の時事問題対策を中心にやっていく事を考えると、夏休みは基礎力強化と弱点克服をできる最後のチャンスとも言えますので、目標を明確にして猛特訓に励むべきなのです。
そして、夏休み以降は何があっても志望校を変更してはいけません。
志望校を変更するという事は子供の事を信じていないという事にもなりますから、いくら模試で悪い結果が出ようとも、それは1つの目安に過ぎません。最後まで我が子を信じて並走してあげましょう。
小学生なんて、必死になって追い込みをかければ、最後の最後になっても学力は伸びるものなのですから。
【夏休み番外編】早稲田アカデミーの夏期合宿という選択肢
私の中学受験時代の思い出で一番大きいものは夏期合宿です。
当時小学生だった私は、東京標準という進学塾の夏期講習に小学校4年生、5年生、6年生と3年連続で参加しました。
それはそれは・・・もう面白くて、ためになって、刺激になって、濃い思い出にもなった充実しまくりの4泊5日でした。(小学校4年生は3泊4日だったかな)
難関私立中学校を目指す優秀な子供達が全国から集まるわけですから、当然刺激にはなりますし、合宿が終わった後も文通を交わしてお互いの近況報告をし合う仲になりました。
文通なんて、いかにも懐かしいという感じですね・・・!
勉強合宿なので基本的には4日間ずっと勉強しているのですが、お昼には体と脳のリフレッシュを兼ねてみんなでドッジボールをしたり(先生も交えて)、合宿最終日にはみんなでキャンプファイヤーをした記憶が鮮明に残っています。
確か新潟の妙高とか山形の蔵王とかの、スキー場としても有名な場所に行くんですよね。
現在、唯一の大型夏期合宿を行う進学塾の早稲田アカデミーは、長野県の志賀高原等で4泊5日の夏期合宿を開催していて、日程は8月の前半に行っています。
志賀高原は標高も高いので夏場はそれなりに涼しいのもあるかもしれませんが、自然たっぷりの場所にこもり、いまどきテレビもゲームもない環境下で、ただひたすら仲間と共に勉強に励むのも良いと思います。
残念ですが今はもう、実施する大手進学塾は早稲田アカデミーくらいしかありません。
一部の血も涙もない合理主義な保護者からは、このような勉強合宿は移動時間などを考えると総合的に非効率だと批判される面もありますが、実際に勉強合宿を経験した身から言わせて貰うと、決してそんな事はありません。
塾での勉強、家庭学習、家庭教師の指導では決して体験できない濃厚な4日間を過ごす事ができましたし、「勉強って楽しいものなんだ!」「全国にはこんなに優秀で頭のきれる奴がいるんだ!」という事を実体験できるのですから。
いくら模試のランキングで全国のライバルの名前を確認できたとしても、その人物と実際に会って会話をし、頭脳明晰ぶりや知的さを肌感覚で体感するのとは雲泥の差です。
私が夏期合宿で知り合い、特に仲良くなった友人が2名いたのですが、彼らは2名とも優秀で、1人は東京の開成に、もう1人は京都の洛南に合格していきました。
2人から手紙で合格報告を貰った時は、流石だなと思いましたし、彼らなら当然だとも思いましたけど、それと同時に、こんな仲間達と仲良くなって切磋琢磨できた事への感謝の思いも湧いてきたのを今でも覚えているのです。
そういった意味では、効率性や合理性の面では測れない、貴重な経験を夏期合宿では得る事ができますので、個人的には早稲田アカデミーの夏期合宿はおすすめしたいですね。
※難関中学の受験対策がしたいけど、近所に良い塾がないご家庭におすすめ!