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東西の横綱、灘中学と開成中学卒業生のその後の社会での活躍ぶりは?

 2016/06/22 中学受験 この記事は約 9 分で読めます。 4,050 Views
灘中学

灘・開成という、日本が誇る東西の2つの超名門校についての面白い書籍があったので読んでみました。

「超」進学校 開成・灘の卒業生-その教育は仕事に活きるのか

灘や開成の生徒の東大・京大・国公立医学部への進学率が驚異的である事は、中学受験を志す保護者ならほとんどの方がご存知の事でしょう。

ですが、その中で行われる教育がいざ大学を卒業して社会に出た時に役立っているのか?勉強だけができる頭でっかちな人間に育ってないか…?という一抹の不安が一部から挙げらるのは事実なので、そういった意味ではこの書籍にはそれに対する興味深いリサーチ結果が書かれています。

大企業志向、安定志向が前提にあるOB調査

この書籍には実際に灘514名、開成558名、合計1072名の両校OBに郵送書類での卒業生調査を行い、卒業後の彼らがどういう場所でどのような活躍をしているかを様々な角度から事細かく検証し、オリジナルデータを提示してくれています。

日本のトップに君臨する東西の2校に関する文献ですから、中学受験関係者はもちろんの事、子供の教育に興味がある保護者にとっては純粋に「学歴が社会に出てからどう作用するのか?」という面で面白い読み物だと思うので、時間がある時にでもさらっと読んでみると良いですね。

個人的に残念なのは、このリサーチが個人事業主や企業経営者の存在をあまり意識して行われていない点で、経営者が「小規模企業勤務者」としてサラリーマンとひとくくりにされてしまっている点でしょうか?

リサーチした卒業生層が1973年3月~2000年3月の卒業生を対象にしているので一見幅広い年齢層にリサーチしているように思えますが、やはり1970年代から1990年代の卒業生にかけては日本では年功序列や終身雇用の前提に立った就職活動が行われてきましたから、大企業志向、安定志向が俄然強いわけです。

“大きく有名な会社に入れば一生安泰”

1970年代から1990年代の卒業生にあったのはこの思考でしょう。

ですが、ご存知の通り既に日本社会はそのような状況下にはありません。

要するに、これから灘中学・高校学校、開成中学・高等学校に入学し、7年後や10年後に大学を経て社会に羽ばたいていく子供達と、1970年代~1990年代の卒業生とでは、彼らを取り巻く社会の環境は天と地ほど変わっていると言っても過言ではないでしょうから、この卒業生のリサーチ結果はあくまでも参考データの1つとして捉えたいところですね。

あとは第3章以降の内容が間延びした感があって前半ほどは面白くなくなっている点を除いては、両校の卒業生のその後の活躍ぶりをここまで細かくリサーチして検証している書籍はこれまで存在しなかったので、価値ある調査結果だと思っています。

『中学受験の神様』のある意味でのテーマでもあります、「中学受験で志望校に合格したその先の人生」というテーマとも関連し てくるものですから、ぜひメディアでこの書籍を取り上げようと思った次第です。

灘中学、開成中学、両校の卒業生の現職

東西の横綱、灘と開成の卒業生のその後は非常に気になるところでしたが、合計1072名の卒業生をリサーチした結果、下記のような数字になっています。

 事務・営業・技術・企画などの企業勤務大学客員、研究者医師公務員その他
開成・灘卒50.6%8.5%22.0%8.2%10.7%
一般大卒81.6%0.8%1.0%7.1%9.5%
参照:『「超」進学校 開成・灘の卒業生-その教育は仕事に活きるのか』P031

 

ご覧の通り、医師になっている卒業生大学で研究者になっている卒業生が、やはり一般大学の卒業生と比較すると群を抜いて多くなっていますね。

医学部、東大、京大に多数の合格者を出す両校ですから、そこから考えるとこの数字は妥当な結果ですね。

そして企業勤務者として働く卒業生の分布はこのようになっています。

企業規模(従業員数)29人以下30~99人100~299人300~999人1000~4999人5000人以上
開成・灘卒8.1%4.7%5.3%11.4%17.6%52.9%
一般大卒13.0%9.8%14.5%17.3%20.3%25.1%

 

これを見れば一目瞭然のように、5000人以上の大企業に就職している卒業生の割合が圧倒的に多く、卒業生の中の企業勤務者の実に半数以上が大企業へ就職している事が伺えます。

特に1970年代~1990年代の卒業生に関しては何の疑いもなく大企業に入社している事でしょう。大企業に入社できるのは、学歴がある人の特権だという事でしょうか。

超進学校の生徒に向けられる世間の印象は想像通り

書籍を刊行するにあたって著者のチームは灘や開成に通う生徒に対しての世間の印象調査を行っているのですが、彼らに対してのイメージで、「頭が良い」「真面目」「集中力がある」といったプラスの回答があった一方で、「人間関係が不得手」「世間知らず」「頭でっかち」「融通が利かない」「打たれ弱い」というマイナスの回答も多く得られています。

この世間が持つイメージはよく言われる紋切り型の事ですし特に驚く事もでないのですが、著者チームが調査した結果では、世間のイメージに見られたマイナス要素は、灘や開成の生徒だ から目立った特徴が現れている訳ではないという結論に達しています。

つまり、灘や開成などの超進学校に通っていたとは言え、融通が利く人間、世間知らずではない人間なんてたくさんいるという事です。

そりゃあもちろん、一部には毎日学校と塾の往復だけで本当に世間知らずになってしまった卒業生もいるでしょうし、打たれ弱い卒業生、対人関係が下手な卒業生もいたことでしょう。

ですがそれは灘や開成の卒業生に限った事ではなく、広く日本人の統計を取っても同じ結果だと思いますし、単純に人間の中にはどんな性格の人間がいるのかという割合の問題だと言える のです。

灘や開成だから世間知らずや頭でっかちになるという事はないという事でした。

要するに、世間が抱く灘や開成の生徒に対する印象と実際像とは違ったわけです。

出る杭をとことん打ってくる日本文化

私の小学校時代の友人(進学塾の夏の合宿で仲良くなりました)に開成中学校から東大に入った友人がいますし、経営者の知人では灘高校からこれまた東大に入った知人がいます。

彼ら2人だけを見たって、世間知らずや打たれ弱いなんていう言葉とは真逆の存在で対人スキルも人並み以上ですし、後者の人なんて今は起業をして多方面で大活躍しているのですから。

知的で仕事もできるけど、ユーモアもあってバカもできる尊敬できる人達です。

ですから、「子供を超進学校に入れると対人関係に弱い大人になってしまうんじゃないか?」 と心配する保護者がいるのですが、それは全くの杞憂だと言えるのです。

どういう大人に育つかというのは、学校に入っただけで決まるものではなく、その子が育ってきた幼い頃からの環境、人間関係、周りの人間の考え方など、あらゆるものが関係しているのですから。

それにこれも後で紹介しますが、灘や開成は超進学校だからこそ大学受験に向けた教育を管理体制の元ゴリゴリにやっていると思われがちですがそんな事は一切なく、むしろ逆で、両校とも生徒の自主性をかなり重んじるかなり自由な校風なのです。

それなのに超進学校が一部の人達から悪く言われてしまうのは、日本人は昔から出る杭を打つ習慣があるからでしょう。灘や開成などに入学する子供を指差して「頭でっかち」と叩きにかかるわけですし、勉強を頑張っている子供に対して「ガリ弁」だと言い始める始末ですからね。

スポーツを頑張っている子供はガリスポーツと言われないのに、勉強を頑張っている子供だけがガリ勉と呼ばれるのは、勉強によって将来的に得られる結果を深層心理でみんな知っているから、それが知らず知らずのうちに「出る杭を打つ」という行動に現れてしまうのです。

日本にいる以上はこれから先も出る杭が打たれる事は仕方がないので、超進学校を目指す家庭は周りの陰口を気にしない事にするか、叩かれるのがイヤなのであればもはや“出過ぎた杭”になるか、打たれても気にしないくらい精神的に余裕を持てるようにならないといけませんね。

そういった意味では、個性を尊重し、のびのびと自由な校風でその個性を伸ばしてくれる灘と開成の両校の方針は理にかなっていると思います。

これからの個のスキルが問われる時代にもマッチする教育

灘中学校・高等学校の現校長先生である和田孫博先生が卒業生に関して言及している面白い内容がありましたので、紹介します。

和田校長
まあもともと、うちのような学校の出身者には、大企業や権力の中枢でリーダーシップをとっている人が少ないんですけどね。組織に収まらないケースが多い。得意分野での力や個性を発揮すれば取り上げてくれるという、わりに緩い組織でのほうが生き生きとしているようです。

 

なるほど、自由な個性を尊重している学校だからこそ、校長先生はこういう風はお考えをされているのだなと妙に感心させられました。

また、開成中学校・高等学校の柳沢幸雄先生が、「校風や教育について書かれているある文献を読んでいて、自分の言葉かと思ったら灘の和田先生の発言だったので驚いた」と仰っているように、灘と開成の両方は根底の部分で流れる文化や校風は非常に似ているようなのです。

ですからこれは私の考えですが、開成の卒業生もまた灘の卒業生と同じく、個性を思う存分発揮できるような環境こそが、最も良いパフォーマンスを発揮できるところなのではないでしょうか?

そうだとすれば、これは灘と開成の両校の卒業生が、今後の日本社会でますます活躍できる良いニュースだと捉えています。

日本でも終身雇用制度が崩壊し、どれだけ名の通った大企業でもいつ業績不振になったり倒産するか分からない時代になりましたし、定年まで企業に守って貰えると考えている人はほとんどいないでしょう。

ましてやいくら頑張っていても、上層部の一言でいつ首を切られてしまっても文句が言えない時代になってしまったのです。

「集団」にしがみついてぶら下がるのではなく、「個」がいかに価値を高めるべき時代になりつつありますし、企業という組織を見てみても、輝ける「個」の集合体としての組織があるべ きなのです。

もう何年も前から何のスキルや取り柄もないジェネラリストは不要とされていて、数年後にはAIの更なる台頭によってその多くの職業が失われるだろうと言われています。

だからこそ、これからの若者は個を磨く事をますます意識しないといくら学歴だけがあっても食べていく事ができなくなり、貧乏のラットレースに巻き込まれてしまうのです。

ですからそういった面でも、灘や開成の個性を伸ばす自主性を重んじる教育は、これからの時代にも非常にマッチしているのではないかと私は考えますし、日本の左右の横綱がそうあってくれないと、それ以下の実績ある私立中高一貫校も黙っていませんよという話になってくると思うのです。

まとめ

灘や開成のような、進学校い通う子供ほど、頭でっかちだとか、人付き合いが下手くそだとかボロクソ言われる傾向にありますが、そんなものは人それぞれです。

通った学校で決まるものではありません。

これからの時代は個人個人によりフォーカスが当たる時代になっていきますが、個性を尊重する灘と開成の両校こそ、そんな激動の時代でも生き抜く豊かな人間力がが身につく学校だと言えるでしょう。

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